2014年4月18日金曜日

奈良 法隆寺

西院伽藍中門
奈良
法隆寺(http://www.horyuji.or.jp/
聖徳宗

世界最古の木造建築として知られている法隆寺。修学旅行生もたくさんみかけます。

法隆寺の南大門、伽藍中門、五重塔、金堂、大講堂などすべてに同じ文様の几帳がかけられています。

文様は同じですが、紋のサイズは3種類あります。几帳の大きさもそれぞれの場所に応じたものになっています。


文様アップ~


この文様は、「四天王紋」とよばれ、金堂の東側入口すぐに安置されている四天王像の多聞天光背の文様がモチーフになっています。

金堂は暗く、像の向きの関係もあって光背の文様を見ることは難しいです。特別に懐中電灯を使わせていただいたのですが、わかりませんでした。

そこで、資料を探しましたので次の写真をご覧ください。






「奈良六大寺大観」より

法隆寺 金堂 四天王像 多聞天(飛鳥時代 国宝)です。
矢印のところにある文様が几帳の文様のもとになった、ハス(蓮華)です。
奈良国立博物館の仏教美術研究センターでデジタルデータを閲覧することができます。

データ画像を拡大してよーく見ると、この文様が光背に六ヶ所あるようです。ただ、四か所ははっきり分かるのですが、二か所は「ある…かな?」くらいでした。












「国宝彫像」より文様のアップです。

几帳の写真と見比べると、この光背の文様が繊細に几帳に再現されているのがよく分かると思います。

この文様の几帳は、平成10年の大宝蔵院落成から使われ始めました。それ以前は鳳凰紋だったそうです。







大講堂です。人と比べると、几帳の大きさがよく分かります。壮観ですね。













大講堂の拝観順路の出口はこんなシンプルな感じです。














五重塔や金堂には小さ目のかわいらしい几帳がかかっています。文様は同じでも、大きさによって印象がかわりますね。


















おまけ…

これは、法隆寺の東院伽藍の横にある中宮寺のお堂の扉です。

中宮寺では几帳は使われていませんが、皇族の女性とつながりの深い尼寺ですので、扉に菊紋がはいっています。

運よく、普段は入ることのできない、ご本尊の菩薩半跏像が安置されている段の中から間近で拝見することができました。

菩薩半跏像の光背の真ん中には、大きくハス(蓮華)が形どられているのを見ることができました。こちらは、法隆寺多聞天の光背の文様よりも、よりお花らしい文様でした。






もう一つおまけ…

新聞に載っていた法隆寺管長の写真です。

着ておられる法衣の文様は鳳凰かな~?ついついこんなところばかり見てしまいます 笑