仁王門の几帳 |
清水寺(http://www.kiyomizudera.or.jp/)
北法相宗
北法相宗の「北」というのは南都・奈良に対して北の京都に立地するという意味だそうです(清水寺HPより)法相宗といえば奈良では興福寺(こちら)と薬師寺(こちら)
こちらの几帳もどうぞご覧ください!
「千日詣り」と言うのは、1日のお参りで1000日分のご利益があるという観音様最大の功徳日で、毎年8月の約10日間行われる行事です。この「千日詣り」の間は本堂の普段入ることのできない内内陣まで入って参拝することができます。そして、とても貴重な特別な几帳がかかると聞き、行ってまいりました。
清水寺に向かう坂を上ると、境内の入口である仁王門には鳳凰柄の几帳がかかっていました。このすぐ右隣の西門にもかかっています。西門は確認できなかったのですが、仁王門の几帳は素材が麻でした。文様の並び方が幾何学的ですっきりしています。仁王門には普段は几帳はかけられておらず、正月や千日詣り、特別な法要の時のみかけられるそうです。西門も同様だと思います。
そして本堂は、いわゆる清水の「舞台」に一番近い外陣、内陣、内内陣という作りになっています。この外陣と内陣の間にかかっているのが、千日詣りの間だけにかけられる特別な几帳「藕糸織几帳(ぐうしおりきちょう)」です。
お堂の外から写しましたので少し分かりにくいですが・・・。
何が特別かというと、今まで見てきた几帳は紋様の部分が染めものになっていましたが、これは、草花文様の部分が刺しゅうのような感じ(織物)になっていて、花の部分には金箔が施されています。
この、織に使われているのが「蓮糸(はすいと)」や「藕糸(ぐうし)」と呼ばれるハスの茎から採れる繊維を撚った糸です。織物を藕糸織(ぐうしおり)といいます。仏教と蓮の関係は深く、蓮の繊維を織物に用いたという歴史もとても古いのだそうです。ハス糸で有名なのはミャンマーのインレー湖で採られるハスのもので、現在でも採取されているそうですが、それを糸にし、織物にする過程は気の遠くなるような作業です。当然この糸は大変貴重でミャンマーでも藕糸織の法衣を身につけることができるのは一部の僧侶の方ということです。清水寺のこの几帳は2004年にミャンマーの蓮糸を使って織られ、奉納されたそうです。その由来の説明板が千日詣りの間、外陣に置かれています。
由来の説明 |
ちなみに千日詣り以外の時は染物の麻の几帳がかけられ、正月には正月用の別の麻の几帳がか
かるそうです。どんな几帳でしょうか!? 次のお正月にはお参りして見て来たいと思います。