興福寺(http://www.kohfukuji.com/)
法相宗
興福寺東金堂の几帳です。
興福寺では戸帳(とちょう)と呼ばれています。
3本の長い布(ノスジ)は、もともと表が真っ黒、裏が赤色なのですが、黒はすっかり色あせています。文様はいちょうです。
東金堂は西日が強く当たるので退色も激しいようです。一般には公開されていないお堂の内部にかけられている戸帳もあり、それはきれいな黒のままだそうです。
図柄アップ~! |
2頭の鹿が向かい合う愛らしい文様です。奈良といえば鹿、そして奈良公園に隣接する興福寺の境内では鹿の姿も見かけられます。
しかし、単に奈良公園の鹿をモチーフにした文様ではなく正倉院の宝物に描かれている文様を図案化したものです。
正倉院北倉の宝物「麟鹿草木夾纈屏風(りんろくくさききょうけちのびょうぶ)」の写真です。
上の大きな木はぶどうだと聞きましたが、別の見方もあるようです。鹿の間の草木が何かはわかりませんでした。
正倉院といえば東大寺ですが、興福寺の東金堂は聖武天皇が叔母の病気平癒を祈願して建立されたということもあり、聖武天皇の愛用品が保管されていた正倉院ともつながりが深いのですね。
正倉院文様については、几帳のデザインにもよく登場しますので別ページでまとめたいと思います。
興福寺に鹿の戸帳は本当にぴったり。現在、再建が進んでいる中金堂にはどのような戸帳がかけられるのでしょうか、楽しみです。
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